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高所作業車

高所作業車

高所作業車とは

高所作業車は、動力を用いて作業床が昇降して任意の位置に移動できる自走式の作業車です。走行装置、作業装置の違いによって多くの種類があり、幅広い用途に利用されています。電気工事に使用されるものには、工事の安全確保のためブームやバケットが絶縁性能を有する機械もあります。また、近年では昇降や走行の運転操作を、作業床から直接操作できるものがほとんどです。

高所作業車の変遷

かつては仮設足場やはしご、脚立、ローリングタワーなどで高所作業を行っていましたが、愛知車輌(現・アイチコーポレーション)が北米から技術導入したものを参考に、独自の技術で開発したのが日本の高所作業車のあけぼのです。以後、その優れた機動性から急速に普及しました。当初は電気、通信、道路標識、照明工事、高架橋、トンネル内の補修工事など主に道路工事で活躍していましたが、現在では建物の外部仕上げ、補修工事、屋内設備工事にも利用されるようになりました。

タダノ スカイボーイAT-150S
タダノ スカイボーイAT-150S
デンヨー HW-600ZC
デンヨー HW-600ZC
アイチコーポレーション スカイマスターSH15C1FS
アイチコーポレーション スカイマスターSH15C1FS

高所作業車の特徴

バリエーションが多く、幅広い用途に使用できる点が高所作業車の特徴です。
例えば作業装置には伸縮ブーム型・屈折ブーム型・混合ブーム型の3種類がありますが、比較的高い位置での作業に向く伸縮ブーム型、奥深くまで進入でき障害物をよけることも可能な屈折ブーム型、双方のよいところを合わせ半径が広く取れる混合ブーム型など、用途によって使い分けることができます。また、作業床自体が垂直に昇降するタイプのものは、内装工事や足場として利用されています。走行装置はトラック式・ホイール式・クローラ式の3種類がありますが、一般道を走行できるトラック式は工期の短い工事現場などに、舗装道路を傷めないゴムタイヤを使っているホイール式は建設工事や造船工事に、クローラ式は不整地などの地盤の現場に使用されています。

高所作業車の将来展望

高所作業車は、高所作業中の転落事故の防止、足場仮設撤去の時間短縮、全体工期の短縮、作業位置までの昇降歩行による疲労の軽減など、高所作業の安全化、効率化、建築コスト低減を目的として導入されていることもあり、今後はさらにこうした利点の向上が求められています。
また、環境対策型車の開発やIoTとの連携なども今後の課題です。

メーカー

アイチコーポレーション、新明和工業、タダノ、デンヨー、長野工業、北越工業、前田製作所