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コンクリートプラント

コンクリートプラント

コンクリートプラントとは

コンクリートプラントとは、コンクリート製造システムのメイン装置です。セメント、砂利、砂、水、混和剤などの原材料をそれぞれ個別に、種類別に貯蔵し、これらを所定の配合で計量し、コンクリートミキサに投入後、十分に練り混ぜてフレッシュコンクリートを製造する設備です。
プラント創成期には可搬式がありましたが、現在は国内にはほとんどありません。
用途により、生コンクリート用、二次製品用、ダムコンクリート用などに分類されます。

コンクリートプラントの変遷

北川鉄工所ブロックタイプのコンクリートプラント
北川鉄工所ブロックタイプのコンクリートプラント

日本におけるコンクリートプラントのあけぼのは、米国からの技術導入です。最初に導入したのは日本建機(現・北川鉄工所)といわれています。その後、日本国内でプラントの自動化~IT化、ミキサの性能向上、コントロール機器の進化が著しく進みました。
現在のミキサはバッチ式が主流で、生コンクリート工場、ダム用として重力式ミキサで始まりましたが、1960年代に短時間で練り上げるパン形強制練りミキサが生コンクリート向けに普及。その後1970年代後半からメンテナンスが簡単で練り混ぜが早いパグミル型の水平二軸強制練りミキサが導入され、現在ではこの形式がダム用を含め主力になっています。その後、攪拌翼付重力式ミキサ、両羽根式の水平二軸強制練りミキサなどが開発され、近年では高強度、高品質コンクリートの需要増大により水平二軸でも軸のない螺旋式ミキサが開発されています。
計量器は、荷重の伝達方式により分類され、機械秤と電気制御との組み合わせ方式、ロードセル直接計量方式がありましたが、現在では機械秤はなくなり、ロードセル式となり操作盤も専用基板式からPLC(programmablelogiccontroller)とPC(パソコン)の組み合わせにより、さまざまなソフトが組み込まれ、計量精度の向上だけでなくヒューマンエラーの防止、品質管理の面においても技術向上が図られています。
プラントコントロールはリレー式よりコンピュータ式となり、近年ではインターネットの普及によりインターネット接続し、情報共有、リモートメンテナンスができるようになり、今後は各種センサーによる監視、安全管理に加えAIによる品質管理技術も向上していくと思われます。

コンクリートプラントが登場するまで

日工 コンクリートプラント
日工 コンクリートプラント

生コン工場が普及するまで、その役割は工事現場での調合、混練が担っていましたが、現在では、工場で生産された生コンクリートを工事現場に運んで使用するのが主流となり、ごく少量のコンクリートを必要とする場合や、逆に非常に大量のコンクリートを必要とする場合に現場で混練を行う場合があります。

コンクリートプラントと生コンクリート製造システム

生コンクリート製造システムとは、原材料の貯蔵、供給・貯蔵システム、計量・混練システム、操作・品質管理システム、環境・リサイクルシステムの各システムを機能的に組み合わせた総合システムで、コンクリートプラントはそのメイン装置となるものです。
従ってプラントの計画には、生コンクリートの用途、生産規模、トラックミキサ車数、設置場所、地形、面積、原材料の入荷条件、工事期間などに適した形式を選択し、周囲環境の条件と入荷および出荷の車の流れを考慮した配置を計画する必要があります。

コンクリートプラントの特徴

大気汚染防止法に対応した粉塵防止対策や騒音規制法、振動規制法に対応した防音・振動対策、水質汚濁防止法に対応した排水処理設備の充実、排水についてもリサイクルを行うなど、日本製コンクリートプラントは環境問題を意識している点が大きな特徴です

コンクリートプラントの将来展望

クリハラ コンクリートプラント
クリハラ コンクリートプラント

今後は、さらなる省人化、高性能化、環境対策が課題となるでしょう。また、現在は国内インフラ整備を主なターゲットとしているため海外輸出率は高くありませんが、今後インフラ整備の進む中国やASEANなどへの市場開拓も目指していきます。

メーカー

北川鉄工所、クリハラ、光洋機械産業、日工