建設機械産業を知る

トップページ 建設機械産業を知る 建設機械紹介一覧

油圧クレーン

油圧クレーン

油圧クレーンとは

トラッククレーン、ラフテレーンクレーン、オールテレーンクレーンを指し、いずれも一般道の走行が可能な移動式クレーンです。

タダノGR-1000N(ラフテレーンクレーン)
タダノGR-1000N(ラフテレーンクレーン)
コベルコ建機RK130-2(ラフテレーンクレーン)
コベルコ建機RK130-2(ラフテレーンクレーン)
タダノATF-220N-5.1(オールテレーンクレーン)
タダノATF-220N-5.1(オールテレーンクレーン)

油圧クレーンの変遷

加藤製作所MR-250RF
加藤製作所MR-250RF

油圧クレーンのルーツはパワーショベルにあると思われます。さらにそれ以前の歴史をさかのぼると、まず蒸気機関車を搭載した鉄道クレーンにたどり着きます。その後、クローラの発明に伴ってパワーショベルに装備されたクローラ走行方式が主流となり、さらにトラックキャリアに搭載した機械が出現、現在の油圧クレーンにつながっていきました。
自走可能な移動式クレーンの原型は、クレーンアタッチメントを装着した油圧ショベルです。その後、自走クレーンとして専用化し、さらに内燃機関(ディーゼルエンジン)の発達とともに大型化が進みました。
なお、トラッククレーンの国産第1号は、機械式では神戸製鋼所(現・コベルコ建機)が1953(昭和28)年に、油圧式では多田野鉄工所(現・タダノ)が1955(昭和30)年に製造したといわれています。

油圧クレーンの特徴

油圧クレーンは、油圧ポンプにて油圧源をつくり、コントロールバルブにて各機器に分配し、作動します。その利点としては作業装置をコンパクトにできることです。一方、機械式は動力源をメカニカルクラッチで伝達します。その利点は機械の作動状況が分かりやすいこと、欠点は作業装置が大きく取り扱いが困難なことです。
現在、日本における移動式クレーンの主流は油圧式ですが、取り扱いが簡単で小さいスペースで作業ができ、機動性に優れていることが、支持されている理由といえます。

油圧式クレーンの安全対策

油圧クレーンの将来展望

海外から輸入されるクレーンに倣って車両の軽量化、操作性、安全性の追及が不可欠です。過負荷防止装置など油圧クレーンの安全対策は現在でもさまざまな工夫がなされていますが、今後は遠隔操作や自動運転、IoT活用などによる、さらなる向上が求められています。
また道路、橋梁などの保全のため、軸重を抑えた車両の開発も今後の課題です。環境面でもさらに低騒音化、排出ガス規制適合化を進めていく必要があります。

メーカー

加藤製作所、コベルコ建機、タダノ