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モータグレーダ

モータグレーダ

モータグレーダとは

モータグレーダは装着しているブレードで路面や地表を切削、または材料を敷き均し、成形、整正を行うホイール式の建設機械です。道路工事の路床、路盤の構築や高い精度が要求されるグラウンドの整正など土木工事では整地作業に用いられるほか、のり面の切削、成形、溝堀に使用されます。また、除雪作業でも広く使用されています。

モータグレーダの変遷

1870年に北米で道路整備に使用された馬によるけん引式のグレーダが始まりです。北米では1890年頃より自動車の普及が始まり、1900年初頭より道路整備が急速に進みましたが、モータグレーダもトラクタなどによるけん引式から自走式へと進化しました。
国内では1943(昭和18)年、当時の陸軍が池貝自動車(後に小松製作所に吸収)に2台を試作させたのが始まりです。その後、経済成長とともに広く道路が整備されていく中で、モータグレーダも油圧式の作業装置、アーティキュレート式フレーム、前輪の揺動機構やリーニング機構、後輪のタンデム機構などを装備し、高い精度で整地作業を行うことが出来る生産性の高い建設機械に発展してきました。

モータグレーダの特徴

モータグレーダの特徴的な構造は揺動機構とリーニング機構を持つ前輪、左右2輪のタンデム機構の後輪、軸距の長いフレームと車両のほぼ中央に装着したブレードです。
前輪は車軸中央を中心に左右に揺動します。同様に後輪のタンデムケースも中央軸を中心に前後に揺動しますが、これらの機構は軸距の長いフレームと併せて車両が地面の不陸をとらえた時のブレード高さへの影響を低減させる働きを担っています。これら構造、機構によりモータグレーダは精度の高い平坦性を得ることができます。
前輪には左右に傾斜させることができるリーニング機構を備えています。特に切削作業では車体を横方向に押す力が生じますが、このリーニング機構により横方向に押す力を前輪が受けて車両の直進性を維持させています。リーニング機構は後輪のデフロックとあわせて作業時の直進性と牽引力を確保しています。
フレームはアーティキュレート式です。車両の前部と後部を屈折させることにより旋回半径を小さくすることができます。また、車両をオフセットさせることができます。オフセットにより対応できる特殊な作業を行います。
ブレードは土工用では3.1m~3.7m幅、除雪用では3.7m~4.3m幅が主流です。作業機の操作はブレード左右昇降、ブレードピッチ角、ブレード横送り、サークル旋回、サークル横送りをすることが出来、作業装置を微調整し作業を行います。
また、作業装置にはブレードの他に代表的なものとしてスカリファイアがあります。スカリファイアはブレードの前部に装着され地面のかきほぐしに使用されます。スカリファイアは土工用のモータグレーダに装備されています。

モータグレーダの将来展望

キャタピラー140
キャタピラー140

モータグレーダの操作は走行、ステアリング、作業機の微操作を同時に行いますので高度な運転技術を要しますが、オペレータの技量によらず高い施工品質と生産性を確保するために早くからブレードの高さを自動制御する3Dマシンコントロールシステムがモータグレーダに搭載され土木の現場で使用されてきました。現在、i-Constructionが推進されている中で3Dマシンコントロールシステムを搭載したモータグレーダは広く使用されていますが、最近ではメーカー工場でシステムを搭載した車両が提供されており製品の信頼性が高められています。これまで、既に生産性だけでなく、操作性、メンテナンス性、環境性、安全性が高められた新機種が開発され提供されてきましたが、モータグレーダは高い精度で整地作業を行う生産性の高い建設機械として、また、除雪作業を担う建設機械として欠かせない建設機械ですので、今後も新たな進化が期待されます。

メーカー

キャタピラー、コマツ