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路面切削機

路面切削機

路面切削機とは

路面切削機は、轍割れ、凸凹、クラック、ひび割れなど、交通荷重や交通量の増加によって損傷した路面の補修を行う際に、路面の切削を行う機械です。一般道、高速道路や空港滑走路などの切削工事のほか、鉱物の採掘、岩盤切削などに使用されており、特に道路補修工事の分野では路面切削工法として広く定着しています。

路面切削機の変遷

日本における路面切削機の登場は、インフラ整備が盛んな1970年代にさかのぼります。増加する交通量、交通荷重による著しい路面の損傷から、補修のニーズが増加。ドイツ、米国、英国などの切削機械を参考にして、国内の道路建設会社などが独自に研究開発を進めたのが、日本における路面切削機械の始まりだといわれています。
当初、路面の補修は、舗装面を加熱してグレーダなどではぎ取り、再舗装するという手順でしたが、この工法ではニーズに追い付かず、コストもかかり非効率的だったため、この課題を解決した切削機械が各種開発されるようになりました。さらにその後、2車線を占領し交通渋滞の原因となる切削機械と積込機械の組み合わせを一体化した機械が開発され、1車線の交通制限による渋滞の減少を実現。現在ではこの形が主流となっています。さらに光ファイバ埋設道路、排水性舗装対応、ドラムの外周をV字型のものに換えてVカットできるもの、鉄筋などが入った路面舗装の切削に高圧ウォータジェットを使用したものなど、多様な路面タイプに合わせた機械が続々と開発されました。

路面切削機の特徴

路面掘削機は、走行形態で分類すると、車輪式と履帯式に分類されます。機動面では車輪式、牽引力では履帯式が優れています。近年では、履帯式は接地圧が車輪式に比べ非常に低いため、重量物が入ると損傷を起こす軟弱路盤上の道路の施工に多用される中型機も投入され始めています。
また、切削ドラムの駆動形式で分類するとダイレクトドライブ式と油圧駆動式に分類されます。パワーロスの非常に少ないダイレクトドライブ方式は作業効率の面で有利で、油圧駆動式は作業装置を左右にシフト可能なため、路側や路上の障害物を容易に避けることができます。
現在の路面切削機械は、レべリングセンサの進歩による切削精度向上が実現しています。

路面切削機の将来展望

特に中大型機では熟練オペレータの不足、施工能率向上を補うコンピュータ搭載の切削機の開発が求められています。また、騒音、振動、粉塵公害、交通渋滞減少のための施工のスピードアップなども課題で、これらを解決する高機能な機械、工法の開発が期待されています。

ヴィルトゲンW21OFi
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範多機械CRP-120FLC
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メーカー

ヴィルトゲン・ジャパン、酒井重工業、範多機械