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ロードスタビライザ

ロードスタビライザ

ロードスタビライザとは

道路の舗装はアスファルト混合物層と路盤から成るものがあります。
路盤はアスファルト混合物層からの荷重を支持し、この荷重を下の路床に分散させる重要な部分なので、均一かつ十分な支持力が得られるように構築しなくてはなりません。支持力の均一を得るために粒度調整を行い、アスファルト乳剤、セメント、石灰などを添加して安定処理(混合作業)が適宜行われますが、このとき、現場路上で添加剤を攪拌、混合するのに使用されるのが、ロードスタビライザです。

ロードスタビライザの変遷

ロードスタビライザの日本での歴史については、不明な点が多くはっきりしません。一説には、ドイツ・ボーマク社からの技術導入を受けて、国産化していったというものもあります。
いずれにしろ、日本でロードスタビライザが普及したのは、昭和50年代。交通量の急激な増加に伴い、幹線道路の多くに路盤破損(表面に亀裂)が見られるようになったのです。
そのためロードスタビライザを使用して、既設のアスファルト混合物層と路盤層を直接混合し、同時に添加剤も混合する路上再生路盤工法が採用されるようになりました。
1970(昭和45)年くらいまでは新設工事が主だったのですが、以降は道路維持の時代に入り、1988(昭和63)年には修繕工事件数が新設工事を圧倒するようになりました。
また、1987(昭和62)年には、路上再生路盤工法の技術指針がまとまり、ロードスタビライザはさらに普及していきました。

ロードスタビライザの特徴

既設舗装をそのまま有効利用できる点が、ロードスタビライザの特徴です。
ロードスタビライザには、道路で使用する路上再生路盤工法用のホイール式と、地盤改良用のクローラ式があります。ホイール式はその機動性を生かし、主に路上で使われます。クローラ式は低接地圧による走行安全性を生かし、路盤以外にも工場敷地などの軟弱地盤の安定処理にも活用されています。
なお、混合幅2~2.4m、混合深さ0~60cmまでが一般的ですが、特に軟弱地盤の安定処理用として、混合深さ1mのものも普及しています。
構造は路盤をかき起こして破砕する刃(ビット)、油圧駆動方式で回転させながら混合するドラム、そしてガードから成り、ガードはドラム全体を上から覆い、人体の一部が回転物に接触するのを防ぎ、破砕混合物中の材料の飛散を防止します。

ロードスタビライザの将来展望

路上再生はほぼすべての道路で終了しており、これからは一度施工された再生路盤の再々生工事が増えていくと考えられています。そのため、大型のロードスタビライザの必要性が高まってくると予想されています。その他、大気汚染防止のための排出ガス規制、また安全面についても規制がかけられることが想定されるので、それらへの対応も課題となります。
また、再生路盤の品質向上、経済性のニーズから、各種添加剤の研究が既に行われています。例えば、ストレートアスファルトに水、空気を混合させ、泡状にしたフォームドアスファルトは、耐久性に優れ、早期の交通開放が可能で、アスファルト乳剤より経済的なため、新しい添加剤として注目されています。

メーカー

ヴィルトゲン・ジャパン、酒井重工業、範多機械