業界を知る
オペレーターが快適に作業できる建機をつくりたい—学生時代、私は人間工学を学んでいました。その知識を活かし、身体的負担を減らした快適な建機をつくりたいと思ったのがきっかけです。女性ならではの視点も活かせるのではないかと思いました。
新型機のキャブ(運転台)の設計を行っています。キャブはオペレーターの職場であり、その快適性は仕事の良し悪しに強く影響します。シートの座りやすさはもちろん、操作ノブの角度やボタンの位置までこだわっています。机上だけでなく、実際にたくさんのシートに座ったり、実機に載せてみたりと試験も楽しみながら取り組んでいます。
思ったよりも若手のうちから任せてもらえることに驚きました。キャブは製品の第一印象を左右する重要部位。それだけに責任重大ですが、やりがいも大きいです。自分が決めた内容で上司からゴーサインが出た際にはとても嬉しかったです。また実際にお客様からお褒めの言葉を頂いた際には設計者冥利に尽きるなと感じました。技術者として、「世界の現場を改善している」という想いをもって日々勤務できています。
開発には付き物ですが、何度、試験をしても自分の想定と異なる結果しか導かれないときは心が折れそうになります。国内での試験後、海外のお客様に試乗してもらって初めて問題が発覚し、急ピッチでの修正を余儀なくされたこともあります。先輩たちや上司にも手厚くフォローしてもらい何とか乗り切れました。こうした出来事も今では良い思い出で、次の“キカイ”はもっとよくしたいというモチベーションに繋がっています。