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国際貢献

国際貢献

地雷の野原を生活の場へコマツ

安全な村づくりプロジェクト

 コマツは2008年から認定特定非営利活動法人「日本地雷処理を支援する会(JMAS)」と提携し、カンボジア、アンゴラ(終了)、ラオスにおいて、対人地雷で苦しむ地域における地雷除去活動ならびに復興までのコミュニティ開発事業のプロジェクトを行っています。
 建設機械メーカーならではの専門技術やモノ作りに関する知恵を活用して開発した対人地雷除去機や建設機械を無償で提供。そして、地雷除去後の安全な土地で、建設機械を活用して農地開発をはじめ、ため池建設、小学校建設、道路や橋の補修・建設などコミュニティの再生・復興事業までを行い、地域の自立と発展のための生活基盤づくりを支援しています。
 なかでも、カンボジアでの地雷除去・地域復興支援活動が2018年に10年目を迎えました。対人地雷除去機および建設機械の無償貸与を通じ、2019年上期までに延べ2,100haで2,000個を超える対人地雷を除去し、70kmを超える道路、9校の小学校、47の灌漑用ため池などが建設されました。これにより600人近くの小学生が学校に通う環境の整備をはじめ、地雷原が安全な農地へと再生し、自分たちで販売できる物流道ができ、多くの村民が自立し、生活を向上することにつながりました。
 今後も本業である建設機械を通じた支援により地域全体の復興に寄与する活動を進めていきます。

カンボジアのインフラ整備に活躍する油圧ショベル
対人地雷除去機
コマツが無償貸与した建機によって建てられた学校の生徒たち

被災の作業員全員救出鉱研工業

崩落事故現場で活躍・ボーリングマシン

ケーシングより被災者救出 状況。中央黄色のヘルメット が被災者

 2017年9月14日午前10時30分ごろに中国トンネル工事現場で崩落事故が発生し、坑内に作業員9名が取り残されました。中国の救援隊から協力要請を受け、当社社員と当社中国代理店の社員が崩落事故現場に急行し、翌15日午前10時30分に、防爆型アロードリルRPD-180CBRで崩落土塊を21m掘削・貫通させ、作業員9名の生存を確認。水・食料を坑内作業員に供給するための救済用ライフライン設置に成功し、水、食料の供給と通信機器による連絡が取れるようになりました。
 さらに、崩落現場までの道路が未舗装で狭隘なため運搬に苦労しましたが、ボーリングマシンFS-120CZ(1号機)が15日夜に崩落事故現場到着、 16日午前1時から掘削を開始し、同日午前10時30分に口径700mmφの救助パイプを貫通させ、事故発生から50時間後の、12時30分に見事9名全員の救出に成功しました。

ライフライン貫通21m、生存確認中
RPD-180CBR(V)
FS-120CZ(中国独自クレーン機械搭載)
FS-120CZ(中国独自クレーン機械搭載)による救出作戦

文化財復興に建機が活躍タダノ

モアイ修復プロジェクト

クレーンによって吊り上げられるモアイ像

 タダノは1988年から1996年にかけて、チリ・イースター島で「モアイ修復プロジェクト」に取り組みました。チリ政府にクレーンを寄贈し、技術者を現地に派遣し、1999年5月に15体のモアイ像がよみがえりました。
 イースター島は太平洋に浮かぶ絶海の孤島で、世界遺産にも指定されています。島全体に渡って残された謎の石像「モアイ」が有名です。モアイは10世紀から17世紀の間に造られ、およそ1000体が存在すると言われていますが、ほとんどが津波や地震、部族間の争いなどによって倒されたままになっていました。
 1988年11月、日本のテレビ番組でイースター島の知事が「クレーンがあれば、倒れたモアイ像を起こせるのに」と呼びかけ、それをたまたま見ていたタダノの社員が「当社のクレーンが修復に役立つかもしれない」と提案したことがプロジェクトの始まりです。

タダノのクレーンと15体のモアイ像

 当時、タダノに設置されていた事業開発室がプロジェクトを担うことになりました。代表が駐日チリ大使館を訪問し、協力を申し出るところからはじまり、調査団を現地へ派遣。4年後には「モアイ修復委員会」が設立され、日本側の考古学者とチリ側の考古学者が協議して修復場所を決定し、ついにチリの国立遺跡審議会が修復・再建を正式に許可しました。
 モアイ像を起こすには、いくつか課題がありました。モアイを起こすクレーンを運ぶ際の、モアイ像を傷つけないための専用治具を開発しなければいけません。それだけではなく、完成した治具を使用してモアイと同質の石で、かつ形状も寸法も同じ模造を作らなければいけませんでした。そのため、香川県庵治町の「庵治石」を使ってモアイ像の模刻を作成し、タダノの工場でテストを実施・検証しました。
 1992年9月、クレーン、修復資材、発掘機材などをイースター島に搬入し、技術者を派遣して工事・クレーン操作にあたりました。修復に使用した50t吊りクレーン1台はチリ政府に寄贈されました。また、修復作業を通じて現地の人たちへクレーン操作、メンテナンス方法、玉掛け方法などの技術を4ヶ月間にわたり指導しました。
 その後、2006年に2台目となる60tクレーンを、また当社の創業100 周年にあたる2019年には、3台目となる100tクレーンをチリ政府へ寄贈しました。

現地による悪路の改善を後押し酒井重工業

スタビライザー工法の技術移転

 経済発展の目覚ましい新興国において「就労」「教育」「医療」等の社会サービス体制の偏りにより地域格差が生じています。その要因の一つである「悪路=救急車での急病人の搬送遅れ等」を改善すべく、酒井重工業は、現地の人が自分達で悪路を改善できるようにスタビライザー(PM550)工法の技術移転を目指しています。
 次の写真は、その一例としてミャンマー、ケニア、ニカラグア等で行ったPM550を使用したスタビライザー工法の技術移転の様子です。ニカラグアではスタビライザーを3台使用し、技術移転後は自分たちで2,000kmの道路を5年間で改善しました。
 酒井重工業の社是に「国土開発という社会事業に貢献する」という一文があります。我々は道路づくりという国土開発を通じ、未来への発展に繋がる活動を今後も続けていきます。

世界で活躍するPM550
当社社員の現場技術指導(1日の作業工程を説明する朝の様子)
支援国技術者への技術移転(配合設計によるセメント量の決定)
ジャングルの中での道路整備
現地の方と共に行う作業で雇用を創出(簡易舗装における砕石撒き)
運転指導の実施
工事関係者と記念写真をパチッ!
改善した簡易舗装上で遊ぶ裸足の子どもたち。白い材料を使用したことにより、「熱くない」と言って喜んでいました

建造物を傷つけない機動性の高さクボタ

歴史的な建築物を守りながら、生活しやすい都市づくりを実現

 世界中から観光客が訪れるフランス・パリ市では古き良き景観を残しつつ、交通・インフラを整備する都市計画が動いています。欧州で約30年にわたり活躍するクボタの小型建機が、歴史的な建築物が多いこの街で力を発揮しています。小回りが利き、狭い路地でも建造物を傷つけない機動性の高さで現場の支持を集めています。
 また、景観・建造物の保全に加え、欧州における厳しい排ガス規制やパリ市のディーゼル車両乗り入れ禁止(2024年より)の動向を踏まえ、電動化に向けての取り組みを始めるなど、現地の社会情勢を考慮した製品の供給を行っています。

プロジェクトグリーン~砂漠をグリーンに変える~キャタピラー

スーダンの砂漠における農業プロジェクトに貢献

 「プロジェクトグリーン」はスーダンの砂漠における重要な農業プロジェクトであり、完了すると420,000エーカーが耕作可能な土地になります。
北東部のヌビア砂漠は砂嵐がよく発生する過酷な場所ですが、ナイル川をはじめとするたくさんの川、雨、地下水があり、また平坦な土地のため灌漑を機能させることが農地化への鍵となります。
アルワハとアブハマドにある農場では、10km離れたナイル川から引いた水を18kmの運河へと流し込んでいます。
 この場所でプロジェクトを推進している企業とスーダン唯一のCat®認定ディーラーとの間には古くからのつながりがあることから、キャタピラー製機械も大きな役割を果たしています。
現在現場では60台のキャタピラーの機械が活躍しています。ディーラーとCatチームとが緊密に協力し、事前に計画を立てることで、これだけ多くの機械を用意することが可能となっています。
プロジェクトグリーンは近隣地域で5,000人の新しい雇用を創出すると推定されており、スーダンの人々にとって重要なプロジェクトです。
 これからも明るい未来へ向けた取り組みに貢献します。

砂漠に開発中の灌漑システム
現場で活躍するキャタピラーの機械
プロジェクトグリーンに携わるプロジェクトチーム